昨日の私から今日の私へ――。
今までの日記のページを全部破り捨てて、蓮冶の前から姿を消した千尋。
千尋と過ごした場所を彷徨う蓮冶。別れた時から13時間はとっくに経過していて、千尋からは自分の記憶が消えてしまっている。
学校の屋上で火村と出会う蓮冶。千尋はいつも通り――蓮冶と出会う前の千尋のまま。
――終わったんだよ、本当に。火村の言葉は、蓮冶に深く突き刺さる。
この世に奇跡はなく、あるのは必然と偶然。そして後は自分が何をするか、それだけ。
愛した相手に手が届かなくなるのは、辛い。いつまでも引きずっていれば、心に残しかかるその重さ。忘れろとは言わない、背負って生きるのも生き方の1つ……。
駅で待っていれば、そこにやって来た千尋。
小説が書けたのだと差し出してくる。早速読もうとした蓮治だが、しかし読むのは千尋が帰ってから……。
自分1人では書けなかったであろう小説。千尋は、何かお礼がしたいと申し出る。自分に出来る事ならば何でも――。蓮治は、自分とデートをしてくれないか?と言うが、千尋はデートは恋人同士がするものだと言う。
恋人になっちゃ、駄目かな……。切り出してきた蓮治に、千尋は分かりましたと答える。蓮治と千尋は、恋人になる。しかしそれは一日だけの恋人。お試し期間、と言う事で。と、頬を染める千尋可愛すぎるんだけど。
紘は自分を大切にしてくれる。そう確信するみやこ。
自分を大切にしてくれる人としか関わりたくはない、そうでないならば1人のほうがましだ。誰かの心から消えるのは嫌。それくらいなら出会わないほうが……いい。
どんな時でもみやこを見ている。紘はそう約束するも、果たして出来るのか?と思ってしまう。
丁寧に弁当箱に詰められたサンドイッチが落ちる音。視線の先には景。紘のベッドではみやこが寝ていて、状況から何をしていたのかは明らか。
どういう事……?そういう事。景は松葉杖を放り投げて、去っていってしまう。それを追おうとする紘。行かないで……、私とどっちを取るの?行かないよね。
私だけを見て、私以外を見ないで。すごい独占欲だぜ!でも、紘はその手を振り解いて、扉の向こうへ――。
泣きじゃくる千尋。
彼女を1人にしてきた蓮治と火村。俺は千尋に深入りするなと言った。傍にいたいなら覚悟しろとも言ったと、火村。
これは今まで何度もあった事で、時が経つにつれ、記憶をなくした時の痛みは大きくなる……。
火村の言葉に対して、蓮治はそれならばなおさら誰かがそばにいてあげないと……と言う。しかし痛みが大きくなるのは千尋ではない。それは他ならぬ蓮治の痛み。
今なら引き返せる。消えたければ今だ。その言葉を聞いて思わず火村に掴みかかる蓮治。崩れ落ち、涙を流す。
そして千尋は日記を読み直し、こんな自分、終わってしまえばいいのに……と。
ここら辺の千尋は、見ていて辛かった。あの険しい表情が何ともいえないよ。
1人携帯を眺めるみやこ。大量の発信履歴、その全てが紘。
やがてみやこは、その携帯を噴水の中へと投げ捨ててしまい、そして紘に会うために、家へと向かう。
しかし、中から出てきたのは、バスタオル姿の景。水を滴らせた景に対して、みやこは博に会わせてと言うも、眠っているから静かにして欲しいと言われる。
もう届かない、もう届かせない。終わったのだと言って、景は強引に扉を閉めた。
なんてこったい。景ちとやりすぎな気がするよ。みやこちょっと可哀想……。
そして、紘はみやこの携帯にかけるも繋がらない。水の中、だしね。
靭帯損傷の景。紘は相変わらず腱鞘炎を引きずっている。ペースを落としたほうがいいかと考えた紘は、景にしばらく付き合おうと考える。
図書室で、机に大量の本を積み上げながら執筆を続けている千尋。
進行状況としては全体の3割。その部分までを読んだ蓮治は、女の子が可愛いと言う感想を述べるが、それを聞いた千尋は、ここまで全てを書き直そうかと考えて出した。この女の子は、もっとずれている。彼女が取り組んでいる事に対して読者は違和感を覚えなければならないのだ……と。
難しいところですなぁ。こんな風に試行錯誤を繰り返した作品は、果たしてどんなものに仕上がるのやら。
紘の家を訪れた京介。その時の態度が原因で、即効閉められるわけですが、この辺りの攻防は面白すぎます。
中に入って、紘が漫画家であった事を知った京介。誰にも言うなよ、と言われて交換条件として景を呼び出してもらう。
景を呼び出せば、もれなく頬に一発ずつ喰らう紘と京介。
付き合ってと言うのは、撮影の事でした。映画に出て欲しい、と頼まれるも、景はどうも乗り気ではない。見せられた作品も、つまらないと言って途中で切ってしまう。しかし、映像には心を動かされた様子。これは京介の力がなかったら、最初に面白いとも思わない作品になっていたんでしょうね。
いつから私はこの世の外に出る事を諦めたのか。
それすらも覚えていない。
幼い頃の京介が眺める、ある映像。そこに映っていたのは母親だった。一瞬だけではあるけれども夢を叶えたと言う母親。
自分が心から望む、長く続く夢を叶えて欲しい。脳裏を過ぎる思い出と記憶に、大丈夫だよと呟いた京介が撮りたいと願うのは、景。
体育館でシュートを決める景を撮影するが、撮り方が下手だと言われ、今度は右手を使うと宣告される。無断は、良くないですね……。
あの頃の俺は、人が親しく接する事を理解できないでいた。
あの頃の私は、人が独りでいる事が理解できなかった。
紘、景、千尋。幼い頃のその出会いは、紘の歩む道を大きく変えた。
一昨日、ここへ来る事が出来なかった蓮治は、千尋にプレゼントを渡す。しかし、蓮治がそう謝るも、千尋はその頃の事をあまり覚えていなかった。千尋のぴよ?に萌えた。
蓮治は、千尋に対して小説を書かないかと切り出せば、千尋の態度が一変する。自分は書きたくないと、はっきり拒絶する千尋。
物語を書きたいというのは、一週間前の自分。蓮治は、千尋は千尋で、夢は夢だと言うも、千尋は怒ってその場から去っていってしまう。プレゼントを残して。
千尋から蓮治に対して、明かされた真実。13時間しか覚えていられないと言う記憶障害の原因は交通事故で、左目もその時に失った。ああ、だから左目は常に眼帯しているんだな。
日記は読み返し、そして出来るだけ正確に残す事。そして出来るだけ、他人との接触を避ける事。それは障害を利用されたり、その所為で迷惑をかけるかもしれないから。接触するならば、その人の特徴などを記す事。
日記を読み進めようとして止められた蓮治。日記が千尋自身でもある。一体その日記の先には何があるんだろう……。
蓮治に会った事は、忘れないように思い返すんですね。普通そんな事しなくても覚えていられるのに、本当切ない。




























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