アトルは夢を見た。
それは自分が異界に連れて行かれてしまう夢。目を覚ましたアトルは、私はまだここにいる。そう呟く。
その日は雨が降っていた。
下総の国。印旛沼普請現場では、黒坊主が出たと騒ぎが起きていた。
本庄はこの普請を必ずやり遂げねば……と言うが、それはこの工事が中断してしまえば、それが鳥居の失脚に繋がってしまうからだった。
普請現場にある小屋。吹きさらしで、酷い有様ですよ。1人の青年が、その中の小屋へ行き、黒坊主が出たと自分の親父や仲間たちに報告する。
江戸へ行って、黒坊主の事を広め、こんな地獄はもう終わりにする。
語っていた青年は、異変に気づく。そこにいたのは、明らかに人ではないわけで……。
聞こえる蝦蟇の声。耳障りなそれを聞いている、本庄達。本庄は、泥にまみれた1枚の札を発見する。
鳥居は城で普請の事について話しているわけですが。工事を完了するには3千万両……現在で言えば、約300億円だそうです。とんでもない金額だなぁおい。
鳥居は、喜んで自分が指図役として印旛沼に向かうと言うが、印旛沼に行かずとも良い方法があると言われてしまう。それは上知令。
しかし、小さいな、小さいな……と鳥居は言い出し、わしが印旛沼に参るのは誰のためではないわと笑い出す。何だかとっても迫力を感じます。
印旛沼の青年――太作は、江戸で瓦版屋を探していた。しかし岡っ引きの玉兵に、瓦版とはお上に背くものだといわれ、番屋に来いと連行されそうになる。
それを助けたのは、共斎とアトル。十手を出そうとした玉兵が、出したのはキセル。か、格好悪い……。
印旛沼の様子を聞いた狂斎。大雨、泥、休みなし、と来たところに罹病。確かに酷いとしか言いようが。あの小屋の様子を見て、何となく嫌な予感はしてたんですけどね。あれで病気にかからないほうが凄いんではなかろうか。
太作は、自分達は役人の命で集められた。大事な物を放り出して。病くらいでは許しも出ないらしいですが、じゃあどうしたら帰してくれるのだろう……。いや、死ぬまで無理って事になるのかな。ああ、やはり酷い。
狂斎に黒坊主の話をする太作。自分も見たと話す。黒坊主の話を広めれば、普請を止めてくれると言う太作に、狂斎はそんな事をしなくても妖夷を倒せばいいと。
化け物退治に詳しいマブ――つまりは奇士の事。
連れて行ってもらった太作は、俺達を助けてくださいと頼む。しかし、放三郎は黒坊主の件について奇士は動かないと言う。上の許しが出なかったわけです。工事の中断は、鳥居が失脚につながる。だから、妖夷を見逃す……。
その話を聞いて、しかし往壓達は印旛沼へ行く事を決心する。宰蔵は往壓の命によりお留守番。確かに、放三郎を1人にするのは駄目かもね。辛そうな表情がちょっと堪えます。
印旛沼には、奇士達の他にアトルと雪輪と狂斎の姿もあった。
その時、アトルと雪輪が気配を感じる。それは日光街道で感じたのと同じ気配。
やがて太作達の小屋に着くが、そこには誰もいなかった。罹病で立つ事もできない筈なのに……。様子を見たアトルは、こんなところに酷いと悲しみを露にする。
お願いだ、助けてくれと懇願する太作。そして元閥は、札を見つける。それは罹病に効くと言われていたのだが、それをもらった時から、皆が変になっていたのだと言う。
札を懐に隠した元閥はこっそりと別行動を取る。落とした札が赤く光ったかと思うと、何かが出現する。
往壓達は、その頃太作が言う親父と皆に出会っていたのだが、それは蝦蟇。妖夷。
札にはどうやら、人を妖夷に変える効力がある様子ですね。うわぁ。
そこに登場する、鳥居に本庄達。彼等の言葉から、黒坊主が出るというのは嘘だと判明する。嘘をでっちあげれば国に帰れる。しかし、最初は嘘だったはずなのに親父達は妖夷へと姿を変えてしまった。
アトルは、往壓に何とかしてくれと懇願する。本庄達を足止めしてしている間に、往壓は蝦蟇から漢神を取り出そうとするも反応がない。そして、異界が開こうとしている……。
雪輪に乗って、鳥居の元へ向かう往壓。単独行動している元閥は、西のものと退治していた。札は、新たな首を目覚めさせるためのものだった。
普請を止めろとアトルは訴えるが、鳥居はそれは無理だと。言葉に対して、アトルは無理だというが、狂斎も往壓も鳥居は正しいと言う。
アトルは、そいつを斬れと往壓に訴える。しかし往壓は異界を優先させる。蝦蟇は蛇に弱いとアドバイスされた往壓は、竜も蛇も似たようなものかと、自分の額から漢神を取り出し、蝦蟇を貫く。札を取り出し元に戻すも、彼等は札によって生きながらえていただけ。病にかかっていた彼等は、息絶えてしまった。
これでも、鳥居の言っている事は正しいか――アトルは問う。仕方なかったと狂斎は言うが、太作は札を食べ、自分の腹にも札を貼ると、自らが蛙になり鳥居に襲い掛かる。それをあっさりと斬った鳥居は、責めるべきは札を配ったヤツではないのか……と。
アトルはこの世を拒絶し、異界へと向かってしまう。そして、1匹の巨大な妖夷を連れてきた……。
今回の話、すごい辛いものがあったんですけど。前回が結構はじけていただけに、あまりの落差にちょっとうわーとかなってしまった。蝦蟇とかすごい気持ち悪いしね。
人がこうやって地獄を見ている様子は、例えアニメでも辛いものがあるわけですよ。太作が自らも蛙になったのとかも、相当効いたわ……。
で、遂にこの世を拒んでしまって何だか敵みたいな感じになってしまったアトル。ヒロインだったんじゃなかったのかい。
この話については、あんまり語りたくないな。これくらいで。
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