遂にラルンガと対峙したバルサ達。
突然駆け出したチャグムを追って行く狩人達を見て、バルサもそれに続こうとして、声に呼び止められる。自分も行くと言ったタンダは、バルサに来なと言われて、森の中へと駆け出す。
軍勢は混乱していた。落ち着け、とシュガは軍勢に言い聞かせ、各班毎に陣形を整えよと命令する。1班と2班は私と共に皇子を追う……そこまで言うと、待たんかいと声がかかった。声の主はトロガイ。
慌てるんじゃないよ、ここが宴の地だとしたら、あの小僧はいずれここに戻ってくる。卵が孵るのは明日の明け方のはずだからね。
追跡はあいつらに任せておきな。今からでは到底追いつけない、むしろ我々がやるべき事は、互いの知識共有。違うか?
トロガイに問われ、そうですね、そうかもしれないと答えるシュガ。シュガは、軍勢に池の周辺にかがり火を焚けと命令する。皇子が戻った時に、再びラルンガの襲撃を許すわけにはいかない。急ぎ支度をするのだ、その言葉に準備を進めていく軍勢。
かがり火が炊かれる。その周りを、軍勢が分かれて囲んでいる。
シュガは、トロガイ師と座りながら会話をする。
トロガイ師。以前トウミで貴方に言われた通り、宮に眠る碑文にも、精霊の守り人は卵食いに引き裂かれる運命であると記されていました。ただ幸い、火によってラルンガを退けられると言う事は分かった。
その碑文の具体的な記述を問われ、その内容を話し出すシュガ。
200年前のこの日、シグルと言う名のヤクーの子供を我等の世祖が火を用いる事で1度は助けた。ですが、精霊の卵は子供の体の中ではなく、ナユグとサグの狭間にあり、ニュンガロチャガ自身には、卵を産み落とす手段が備わっていなかった。
やはり卵はラルンガに食われなければ、生まれないと言うわけか。シュガの話から、そう確信に近いものを持ったトロガイ。
ナナイ大聖導師は、その時の出来事をつぶさに観察していたようで、同行していたヤクーの呪術師と、何とかして卵を取り出そうとしていた、そしてもう少しでその呪術が上手くいこうと言う刹那、再びナユグから舞い戻ったラルンガに、子供は引き裂かれてしまった。
卵は、子供を引き裂き飲み込んだラルンガの口から、しばらくして吐き出されたと言う。そしてそれは、ナージルなるものが運び去った。ナージルがシュガ達の言葉になかったので、ナージルが何なのか分からない。
それをトロガイに問えば、ナージルはつまりナージの事だろうと答える。ヤクーの田植え歌に出てくるアレじゃ。言われ、成程とシュガ。
やれやれ、と顎に手を当てるトロガイ。シュガの持ってきた答えで全てが解決するかと思われたが、難問が次々とやって来る。
では、トロガイ師も卵を取り出す呪術は……シュガに聞かれ、ああ。その時になってみん事には皆目検討もつかん。上手く卵を取り出せたとして、ナージが飛んでくるか、どうかもな。
チャグムを追っていたバルサ達だったが、その姿を見失ってしまっていた。足跡さえ、見つからない。タンダは、もしかしたらチャグムは木の上を伝っていったのかもしれないと言う。
木の上?疑問の声をあげるバルサに、ああ、と答えると、バルサも見ただろう?チャグムが水の上を走っていった姿を。卵はああして自分の身を守りながら、夜明けまでラルンガを引きつけるつもりなんだ。チャグムがシグ・サルアの花を食べたのも、恐らくそのためだ。花の匂いがナユグの者を引きつける、それと……。そこまで言いかけて、タンダの声は途切れる。
そこに、別行動を取っていた狩人達が現れたからだ。彼等もまた、チャグムの姿を見失っていた。
ラルンガの姿を追ったが、途中で消えてしまった。そして皇子は、お前の言うとおり木の上を飛ぶように逃げていった。我等でさえ、追いつけぬほどの速さでな。とはジン。
ユンに、皇子はどこに行ったと思うと問われたタンダは、よくは分からないが、青池が宴の地ならば夜明けには戻ってくるかもしれないと答える。
とにかく、今のチャグムは卵に突き動かされている。このまま、森を彷徨っては埒が明かない、と続けたタンダの言葉を聞いて、狩人の1人が一旦青池に戻りますかとモンに提案するが、それを駄目だと言ったのはジン。いくら卵に操られているとは言え、チャグムがラルンガに襲われるかもしれない。
バルサも、青池に戻るのは反対だった。わざわざ森に逃げ込んだ事に何か理由があるじゃないか。モンもその意見には賛成する。シュガ様の推測は、明け方までラルンガが来ないと言う事だった。何か読み違いがあったのかもしれない……。
自力でチャグムを探す他ない。結論はそこに至った。バルサとタンダを残して、狩人は一気に散開する。そしてバルサも駆け出して行く。
卵に突き動かされているチャグム。木の上で辺りを見回し、短剣をすらりと引き抜けば、そこに映る自分自身。お前はどこに行こうとしているんだ?と問いかければ、チャグムの腹が青く光る。そこから聞こえてくる、声のようなものを聞いて、あの河を更に遡るのか?と呟いて、軽快な動きで木の上から降りると、ラルンガがまた来る……と、走り去って行く。
馬は碑文を届けるために、駆け抜けていく。
一方でバルサ達は、チャグムの捜索を続けているが、その姿は見えない。
モンが口笛を吹けば、狩人達が軽快な動きで木の上を伝っていく。その様を見て、あいつらと戦う事にならなくて良かったとタンダ。俺の目から見ても、奴等がどれほどの手だれかは分かる。
何やら話し合っていたモンとジンだったが、モンは、俺はお前に会ったら、どうしても聞いてみたい事が1つあった、と言って近づいてくる。初めて剣を交えた時、我等は4人がかりでお前1人を仕留めそこなった。決して、数の利を過信していたつもりはないが、あの時お前はどうして俺達を殺さなかった。その気になれば、全員を殺せたはずだ。
そこまで言って、狩人達は腰の刀に手を添え、抜刀の構えを見せる。
大した理由じゃないさ。とバルサは言う。ただ、これから人を助けようって時に、他人の命を奪ってたんじゃ、人助けの意味がないって思っただけさ。
理由を答えたバルサに、そうかと呟くモン。狩人達は、腰の刀に添えていた手を、次々と下ろしていく。
我等を見下しての事なら、面子にかけてここでケリをつけようと思ったが、初めから完敗だったようだ。この先、想像を超える戦いになった時、我等は迷わずお前に付き従おう。
言われ、止めな。こそばゆいよとバルサ。
トロガイは、自分の呪術で、チャグムの中の卵を見る事は出来るが、触る事は出来ないと言う。それでも、別の方法でナユグと折り合えば、あるいは……。
そこへ、馬の嘶きが聞こえた。到着したガカイからの伝令、そして碑文。到着した瞬間、くずおれる無人から、青池が宴の地ではない事を聞いたシュガ。宴の地、サーナンはこことは全く別の場所でございます……!
何だと?どう言う事だ?と声を荒げるシュガに、サーナンの詳しい場所は持ってきた石版に記されているそうですと無人。
ここが宴の地ではないとすると厄介だね、とトロガイ。夜明けまで、後三の鐘と言ったところか……と空を見上げる。
まさか、そのような肝心なところを読み落としていたとは、とシュガも二つ月が浮かぶ空を眺めて、呟く。
持ってきた石版には、先程シュガ達が目撃したのと全く同じ光景が記されている。
200年前も、花を食べた子供がラルンガを引きつれ、森に消えた。そしてここ、青池はナユグにおけるラルンガの巣であるらしい。
花を食う事でラルンガをおびき寄せたのか、その問いを肯定するシュガ。サーナンは、ここより北に20ナンの地であると解読し、それに対してトロガイは、明け方までにぎりぎりの距離だと言う。
すぐに軍勢を率いて向かおうとするシュガだったが、トロガイは先に行った連中にこの事を伝えておきたいと言う。ですが、と言うシュガを慌てるなと制し、タンダのボンクラがついていったところに、まだ運がありそうだ。この池がナユグと重なる場所なら、多分上手くいくよ。
狩人達はチャグムが降りたあの木を見つけ、その足跡が沢のほうへ続いている事を知る。
また卵食いを引きつけるつもりかもしれないね、とバルサ。沢のほうへと駆け出して行く。
その一方で、トロガイはしばらく池の中に突っ込んでいた顔をあげ、苦しそうながらも何とか上手くいったと話す。後は、タンダがこれに気づくのを祈るだけじゃ。
お前んとこの犬っころも、バルサと行動を共にしてりゃ、一緒に来るだろうよ。ここの連中よりは、役に立つだろうしな。運良く先行して、サーナンに着いててくれりゃめっけもんだ。
トロガイは立ち上がると、シュガに馬に乗れるなと問いかける。わしらはあれで先に行こう、兵には後に着いてくるように言え。卵が孵る時を逃すわけには行かないからね、と馬のほうへと歩いていくトロガイ。シュガも後に続く。
沢に続く道を駆けて行くバルサ達。しかしその途中で、タンダが、自分が誰かに呼ばれている事に気づいて立ち止まる。
タンダの足元を流れる河の水が、たぷんと揺れる。それから何かを察したタンダは、バルサを呼ぶ。
駆けつけたバルサ達に、誰かが俺を呼んでいるんだと言って、水の中に顔を突っ込むタンダ。現れたのは水の民。民はトロガイからの伝令を、タンダに伝えるのだった。
水から顔を上げたタンダ。一体何の真似だいと言われ、師匠から伝言が届いたとタンダ。チャグムの行き先が分かったぞ、チャグムはサーナンと言われる青弓の水源に向かっている。どうやらそこが、本当の宴の地らしい。
バルサの読みが当たったよ、と言うタンダに、猶予は夜明け前と空を見上げるモン。
夜明けまで、後三の鐘もない。急ぎ、サーナンへと向かう。
シュガにトロガイ、そして軍勢もまた、サーナンへと向かっていた。
あいつ等はちゃんと付いてきているんだろうね、と後ろを心配するトロガイだが、シュガは必ずや追いついてくれるはずだと言う。
万が一、ワシらだけだった場合には……とのトロガイの言葉に、考えたくないが、そうなったとしても私は皇子を何としても守ります、とシュガは誓う。
サーナンへ向かうその途中、ふと足を止めて辺りを見回すバルサ達。
そこで、ジンがチャグムの足跡を見つける。それはそこまで時間が経っておらず、比較的新しい。
とその時、森から一斉に飛び立ってくる鳥の群れ。そして、目の前に出現したのはラルンガが2匹。その2匹は、皇子を探していた。
だが、昼間よりはハッキリと姿が見えるぞ、とユン。
伸びてくるラルンガの触手。それはチャグムの足跡をなぞり、それによって匂いを嗅ぎ付ける。そして、遂にその全貌を現して向かってくるラルンガ。
狩人達はラルンガに対して火を放つが、何故かそれはラルンガの体をすり抜けていってしまい、当たらない。
見えるのに、何故当たらない……と悔しそうなジン。向かってくるラルンガを何とか交わすバルサ達。懲りずに向かっていく狩人達に、駄目だ、ラルンガがサグに干渉しようとしたときでないと、とタンダが叫ぶが、それはバルサにしか届いていなかった。
狩人達は、ラルンガの近くまで接近して火を放つが、やはり結果は同じ。それを見ていたタンダは、シグ・サルアの花を取り出すとその花を食べて、ラルンガへと突進する。
タンダの持つ火の槍は、ラルンガへと深く突き刺さる。それにより、暴れだすラルンガは、地面からその姿全てを出して、槍を離そうとしないタンダを振り回していく。
その光景を眺めているだけの狩人達。しかしバルサはタンダを助けるために、駆け出し、その槍をラルンガへと突き刺す。そして引き抜けば、体液が大量にあふれ出す。
遂に宙を舞ったタンダは、地面に叩きつけられる。狩人達は一斉に火を放ち、そしてモンがラルンガの口の中へ、めいいっぱいの火を放った事で、ラルンガは遂に絶命した。
あんた、一体どうしたんだい?とバルサ。その問いに、これさと言って、シグ・サルアの花を取り出したタンダ。ラルンガが青池に現れた時に、こいつの根っこや葉っぱだけには干渉していたんだ。それで、もしやと思って持ってきたんだがな……どうやら、正解だったみたいだ。チャグムと同じようにこいつを食べれば、ラルンガに触れる事が出来る。
その言葉に、バルサがタンダの鞄を覗けば、そこには数輪のシグ・サルアの花があった。
その代わり、こっちも奴らに殺される危険性は生まれるけど……と言うタンダはどこか苦しそう。やがて痛みに足をゆがめるタンダ。彼の左足には、深い傷跡があり血が滲んでいる。
バルサ、この花が俺達の最後の希望だ。これで、チャグムを救えるか……?言われ、ああ、と力強くバルサは頷く――。
男気を見せたタンダに惚れた。彼のお陰で、ラルンガを一匹は倒す事に成功。でも、傷を負ってしまったのが悲しい。ラルンガに触れる事も出来るようになり、チャグムを助けられる可能性は高まった様子。つか助けてもらわないと困るぜ……。
今回で、ようやくバルサと狩人達は和解しましたね。どうして戦おうと考えていたのか、その理由はちょっと情けないものでしたが、まあ、プライド強そうだもの、狩人達。付き従おうとはまた、偉く懐いたっていうか何て言うか。でもまあああれだ、今あの場所で決着つけようとしなくても良かったんでないかなと思ったりしなくもない。
次回、夜は明けてサーナンで激しい戦いが起こる、んでしょうね。もう残り2話しかないんですね。うわあ、悲しい。DVD欲しいよ。楽しみです。
コメント有難うございますー。
今週分終わって、次回いよいよ最終回になってしまいましたね……!終わってしまうのは悲しすぎます。まだまだ見ていたい。
誰も死なずに終わったわけですが、本当に良かったと思います。
狩人達は、本当反抗的でしたが、25話ではめちゃめちゃ丸くなっておられましたね。
TBありがとうございました!
あと2回楽しみですね♪でも、終わっちゃうのは悲しいです(>_<)
どんな激しい戦いが待っているんでしょうね!?
みんな無事に帰れるといいなぁ。。。
狩人達。。。最後まで反抗的でしたねww
TB返し&コメント有難うございます。
狩人さん、とぼけた愛すべきプロフェッショナルですか。確かに、とぼけてると言うか若干空気読めてないというかそんな感じですね。
>東京で「精霊の守り人」全話一挙放送&トークイベント
あるそうですねー、すごい羨ましいんですが東京って時点でもう駄目です。行ける訳がない……(涙)。
狩人さんたちはちょっととぼけた愛すべきプロフェッショナルだと思います。今度東京で「精霊の守り人」全話一挙放送&トークイベントがあるそうですよ
送っていただきましたTBは、ミラーも活用しなるべく返させてもらっていますが、それでもTBが送れない場合があります。 日数経過状況により気がつかない場合があります。ご了承ください。
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