卵に導かれ、1人サーナンへと向かうチャグム。
水源が近いんだ……足元の岩の下を流れる水を見てそう感じたチャグムは、自分の横を通り過ぎていく魚を見て、思わず足を止める。過ぎていく魚の群れに、自分がナユグとサグの狭間にいる事を知る。
やがて水中にいるような感覚がチャグムを襲い、やがてそこは完全に水の中となる。
バルサ、この花が俺達の最後の希望だ。これでチャグムを救えるか。
ラルンガとの戦いで足に傷を負ったタンダは、シグ・サルアの入った自分の鞄をバルサに託す。
分かった、やってみるよ。必ずチャグムを守ってみせる。と鞄の紐を握り締めてバルサ。
モンはタンダの前にかがみこみ、薬草師。その花、我等にも効果はあるか。と問う。俺が少しまじないをかければ、恐らく誰でもナユグを覗けるようになると答えるタンダ。
その花を我等にも授けてくれ、とジン。例えこの身が引き裂かれようとも、おぬしの医師を引き継ぐ、頼む。と言われれば、タンダは感謝の言葉を述べた後、俺からもそう頼むつもりだった。皆でチャグムを守ってくれ、と続ける。
その間、バルサは止血をするために、タンダの足に布をきつく巻きつける。
全てのシグ・サルアが行き渡ったところで、バルサは皆、行こうじゃないかと狩人達に声をかける。そしてシグ・サルアを高く掲げると、チャグムが行ったナユグへ。
バルサと狩人達が、一斉にシグ・サルアを口にする。
方向を調べ、馬を走らせているシュガとトロガイ。そして同じ頃、バルサ達もサーナンへと再び向かい始める。
モン。さっきの卵食いが見えなくなっちまった、と言い出すバルサ。そこで、誰もの足が止まる。誰の目にも、何も見えてはいない。
自分には効能がないのかと言えば、そんなにすぐには効かんのかもしれん。今は薬草師のまじないを信じて、とりあえず皇子に追いつく事が先決、とジンに言われる。
お前達は、あの星読み博士からどのような指示を受けている?と問いかけるバルサ。シュガ様からは、万が一の時は精霊の卵の事は忘れて、とにかく皇子を守れと言われている。
それはある意味正しい判断。今はその判断に賭けよう、卵が生まれてもチャグムが死んだんじゃ意味がない。
1人駆け出すバルサに、狩人達も続く。
何とか、出血は止まったな。痛みに耐えて立ち上がり、足を引きずるようにして、ラルンガの死骸に近寄るタンダ。
生き物には違いないが、この世のものとは思えんな。そうやって死骸を触っていると、馬がこちらに駆けてくる音が聞こえてくる。
やって来たのは、シュガとトロガイ。トロガイは、目の前にあるラルンガの死骸に驚く。
お前、伝聞は受け取ったのか?と言われ、バルサとあの武人達は、それで先にサーナンに向かいましたと答える。
そうか。さすがはトロガイ師の教えを受け継ぐ者、とシュガ。
馬から降りたトロガイは、いや、それよりと言いかけたタンダの言葉を遮り、それよりどうしたんじゃ、この化け物は。どうやって倒したんだいと聞かれ、シグ・サルアの花を食べてみた事を話すタンダ。花の蜜が触媒となり、我々でもナユグに干渉できる事が判明しました。
それを聞いて、成程と納得。でかした弟子よ、とタンダを褒めるトロガイ。しかし、その花がもうない事を知って、どこか残念そうなトロガイ。何と、お前の歳ならもう一度精霊の生まれ変わりを見られるが、わしはこれが最後の機会だったのに……。
俺だってこれが最後ですよ、とタンダ。ラルンガの死骸をつついたりしているトロガイに、先を急ぎましょうとシュガは声をかけるが、そう慌てるな。夜明けまでは食われまいと、トロガイは言って、ラルンガを眺めている。
そこへ、がさりと物音がする。視線を動かせば、そこには熊がいる。その熊もニュンガロイムの卵を宿しているらしく、その後ろから卵を狙って、ラルンガが接近している。
ラルンガ、そうタンダが呟けば、見えるのか?とトロガイに問われる。ラルンガはやがて触手のようなものを小熊へとのばし絡みつけて引き寄せ、食べてしまう。食べ終わると、ラルンガはニュンガロイムの卵をその口から天高く吐き出した。それは弧を描き、岩へと叩きつけられて、青い光は消えてしまう。
あれは……、と呟くタンダに、ああ。恐らくニュンガロイムの卵だ。チャグムの他にもいるだろうとは思っていたが、ああやって淘汰されていくのが、大自然の摂理なんじゃろうとトロガイは答える。
じゃあ、チャグムも、と動揺した様子のタンダ。そうだね、明け方まで安心て事でもないようじゃな。と言ってトロガイは、急ぐぞ、星読み博士。と馬に乗ろうとする。
それをひき止め、自分も連れて行ってくださいと請うタンダ。シュガまで、そうです。彼も一緒に、と言えば仕方ないねぇ。じゃあお前が馬に乗りなと、言って自分は駆け出す。
水の中を泳いで、チャグムはサーナンへ辿り着く。氷の張っていない場所から、這い上がって、その上で仰向けになって息を整える。
空を見つめながら、不思議だ。まるで寒くない……と呟くチャグム。空は、晴れ渡っている。
ここが、サーナン。見回していると腹が青く光だし、思わず呻き声を上げてしまうチャグム。そろそろ生まれるのか……?呟いたその時、氷を割ってラルンガは現れる。
氷を割りながら、チャグムに向かって突進してくるラルンガ。チャグムは捕まらないようにと逃げ始める。すると、遠くにバルサ達の姿。バルサ、と呟いて安堵したような表情を見せるチャグム。
しかしすぐに表情を曇らせ涙ぐみ、バルサ。でも……俺は……と、涙を流す。
チャグム。そこを動くんじゃないよ。バルサの声は、チャグムにしっかりと届く。その声に振り向き、バルサとまた名を呟く。皇子、ジンも声を上げる。
短槍使い。先に行け、とモン。バルサは何とか食い止めてくれるように頼むと、チャグムの元へと急ぐ。
ラルンガに向かって火を放つ狩人達。すると一旦ラルンガは水に潜り、そして狩人達の下の氷を割って出てきた。
その間に、チャグムの元へ辿り着いたバルサ。チャグムと抱き合い、無事だったんだねと声をかける。
バルサ。必ず来てくれると思ってた、信じてたよ。バルサ。
狩人達は、氷のふちに油をまく。
スン。これを撃て。と言ってジンが投げたのは油が入っている袋。それをゼンの火弓が射抜けば、爆散して火がラルンガに降り注ぐ。そして、油を塗った氷の淵にも火が広がる。
やったか……?呟くジン。ラルンガは燃え、やがて水の中に消えた。
サーナンへ向かっていると、タンダは自分の周りを魚が泳ぎ始めた事に気づく。そして視線の先には、水中へ沈んでいくラルンガの姿。
ナユグでは、水の中なんだ。と呟いたタンダは、師匠。どうやら、ここはナユグでは水の中のようです。一旦崖の上に上がりましょう。
氷の崖の上へと上がる狩人達。静寂が訪れたのもつかの間、すぐに次のラルンガが現れる。向かってくるラルンガに火を放っている狩人。
馬に乗っているタンダは、その先にバルサ達の姿を見つけ、バルサとチャグムの名を呼ぶ。しかし、それはシュガとトロガイには見えない。
くそ、わしにも見えんぞ。弟子に見えるものが見えんとは。と悔しそうなトロガイ。
何たる事。私の知る、見ている世界とはせいぜいこの世の半分。いや、万分の一にすぎんのか。とシュガ。
とにかく、急ぎましょう。タンダのその声で先へと向かう。
ラルンガに火を放つ。その行為を止めようとするチャグム。
駄目だ、ラルンガを殺してはいけない……と崩れ落ちてしまう。腹はまた青く光りだしている。
生まれたいのか。やはりラルンガに俺が引き裂かれなくちゃ、お前は出てこられないのか。チャグムの呟きを聞いて、参ったね、こればかりは私じゃどうする事も……と、バルサもどうしていいのか分からない。
その一方で、氷を割いて進むラルンガを見てしまったタンダは、師匠。先に行きますと馬を走らせる。
ラルンガにひたすら火を放つ。すると出てきた触手のようなものに絡め取られてしまう狩人達。チャグムもそれに捕まってしまうも、それをバルサの槍が切断し、狩人達も何とかそれから逃れる。
ラルンガはまだ現れる。矢も、油ももう残り少ない。
伝説の八武人は、この状況を三日三晩しのいだと言う。油がつきようが、薬草師のおかげでナユグの者ときり結べるようになったのだ。例えこの身が尽きようと、剣一本で戦い抜くのみ。モンが言えば、お頭の言うとおりだ、我等にも出来ぬはずはない、とゼン。
頷きあって、狩人達は剣を抜く。
短槍使い。皇子を連れて今のうちにここを離れよ。まずは、皇子を逃がす事が先決と、モンは振り向いてバルサに言い、バルサもそれを了承するが、チャグムがそれを拒む。
駄目だよ、駄目なんだバルサ。卵はここに残りたがっている。ここで今日生まれなかったら、卵は俺の中で死んでしまうんだ。
それじゃ駄目なんだ。卵はここで生まれたがっているんだ……。そこまで言って、苦しみだすチャグム。
早く行けとのゼンの声。次々と遅い来るラルンガに立ち向かっていく狩人達。
その光景を、バルサとチャグムは眺めている。バルサ、俺もまだ生きたいよ、でも俺は運命に身をゆだねる。俺はみんなの犠牲の上に生きる事も、ヨゴ百万の民を犠牲にする事も出来ない。チャグムの声が、響く。
だから、もうこれ以上戦うのは止めてくれ。俺は、俺にしか出来ない事をやる。
皇子。モンが名を呼べば、隙を疲れて首に触手のようなものが絡みつく。
皇子、我等の事は気にせず、先に逃げてとジンが言う。
そこへ到着したタンダ。ナユグに入った瞬間、馬から落ちるような格好となり、馬だけがサグに取り残される。
バルサとチャグムの元に辿り着いたタンダから、精霊の卵は呪術で取り出せる事が判明する。だから、まずはチャグムを安全なところに、とタンダ。
本当かい?と問えば、星読み博士の話でも、200年前同じ試みをして、もう少しのところまで行った奇術があるらしい。
あんたを信じるよ、チャグムを頼む。言い残して、バルサも狩人達のもとへ向かう。
大丈夫だ、何も心配するなチャグム……。
ラルンガは手強い。攻撃をかわして、槍を深々と突き刺すも、その数は半端ない。
サグに残されたシュガは、自分達にも何か出来ないのかと考えるも、トロガイは黙って朝日が昇るのを祈れと言うだけだった。
ナユグにいるチャグムは気を失っているのか動かない。
迫り来るラルンガ、きりがなく、それはトロガイにも伝わる。くそ、と駆け出すシュガに、トロガイもその腰を上げるが、立ち上がってある事実に気づいた。
朝日が、昇る。攻撃をかわして斬り続けていれば、ラルンガの動きが止まり、狩人達は思わず顔を見合わせる。
そうか。サグの夜が明けたのかと、バルサ。
僅かにしか動かなくなったラルンガは消えてしまい、やがてそこは本来のサーナンの姿に戻る。
気づいたように、ジンが皇子と後ろを振り向けば、そこには苦しそうなチャグムの姿があった。
急げ、と声がして見れば、そこにはトロガイとシュガの姿がある。早くしないと、ナユグとサグが完全に離れてしまう。
バルサ、手を貸してくれ、とタンダ。いいか、このままそっと手を差し入れろ。その言葉に戸惑うバルサ。タンダの力で導かれ、チャグムの中へと入っていくバルサの手。その痛みに、チャグムは苦しむ。
大丈夫。そのままそっと、卵に触れるんだ。タンダに言われ、手は更に奥へと入っていく。遂には、チャグムはその痛みに耐え切れなくなり、気を失ってしまった。
その直後、バルサが手を引き抜けば、その掌の上には精霊の卵があった。青く光る精霊の卵。チャグムも気づき、無事生まれたんだねと卵に声をかける。生きたい、生きたいって言う願いが叶ったんだね。
そこに近づいてくるトロガイとシュガ。チャグムは、バルサ。俺にも卵を……と、自分のほうに卵を引き寄せてもらう。よく、生まれてきてくれた。チャグムは卵に触れ、あたたかいと口にする。
さて、後はと空を見回すトロガイ。後はナージ、あれが来なければ、むき出しの卵はすぐに死んでしまうだろうからね。
すると、空の向こう。ナージの群れがこちらに向かって飛んでくるのが見えた。
ナージ、ナージがきおったと声を上げるトロガイ。しかし、ナージは気づかずにそのまま行ってしまうように思えた。
気づかず行ってしまうぞ、ジンが言えば、大丈夫。気づくとチャグムは言う。その言葉どおり、一羽が群れを離れてこちらへと引き返してきた。
卵を空高く放り投げれば、ナージがくわえて持っていてくれる。言われたとおりに、バルサが高々と卵を放り投げれば、ナージはそれをくわえて空の向こうへと消えていく。
それを見届けるチャグム。軍勢は今頃やってきたが、シュガはこれで王の帰還に花を添える事が出来ます、と言う。
終わったんだ。運命との、戦いが――。
感動したー。後半ひたすら泣いていた記憶しかない。誰も死ななかったのが本当に嬉しかったです。狩人達死ぬんじゃないかって本気で思った。
チャグムの卵が取り出される場面がまんま出産で……それは少し不思議な感じでしたね。うーん、もう少しチャグムの中の人の演技が良いと、もっと感動できたかも。
BGMとか演出とか。ナージの歌が入ったところは素晴らしすぎたな。何回でも見たくなる。ナージと言えば、サグム皇子とチャグムが2人で助けたあの鳥は、ナージだったんですね。
次回、このアニメもいよいよ最終回。最終回かー。悲しいな。何か、ここまで最終回が残念だって思ったアニメってあんまりない。蟲師くらいかな。
チャグムは王として帰還を果たしたものの、チャグムはバルサは別れなければならなくなる。
忘れない、貴方の事を……って事で、次回、旅立ちです。
予告の時点で既に目が潤んでいたので、次回間違いなく泣きますなこれは。その後仕事ってのが嫌だけど、最終回は真面目に早起きしたいぜ。
最後まで、お付き合いいただければ幸いです。
こんばんは。自宅のテレビ壊れてしまいましたか……!そんな、よりによって精霊の守り人最終回間近に……!新しいテレビが間に合う事を祈っております。
チャグムはきっと死なないと思っていても、はらはらせずにはいられない半年でしたよね。このアニメは色々伏線が散らばっていましたね、再放送の時にまたじっくり見直していきたいと思います。
バルサとタンダが卵を取り出す場面は、私には出産に見えていました。言われてみれば、ケーキ入刀に近いものもありますねー。
地球へ…は本当に沢山の方々が死にましたしね。誰も死なないからこその守り人なのかなと思いました。
では、また来週お会いしましょう。
こんばんはー、今回もコメント有難うございます。
狩人危ないんじゃないかって思いましたよね、見ていてもう死んでしまうんじゃと、ハラハラしていましたが、死ななくて良かったです……。皆無事で本当良かった……。
あのナージがチャグムを助けたナージだとしたら、何だかすごいロマンティック。でもありそうですよねー。
最終回は寂しいですよね、結末を早く見たい気持ちはあるのですが。
チャグムもバルサも、追っては強いし、ラルンガはわけわからんしで、終わりまで死なないってわかっててもはらはらどきどきの半年でした。
バルサとタンダが協力して卵をとりだすのは、なんかこうケーキ入刀みたいで、ひとり苦笑い。出産シーンに見えたかたもいらっしゃいますね。
むかしに王宮で皇子ふたりでナージを助けたことも伏線になってたんですね。
こっちは地球と違って、だれも死ななかったことに意義があると思いました。サブのキャラたちも生き生きしていましたね。
また来週。(どうぞ見られますように、アーメン)
TBありがとうございました!
私も狩人危ないんじゃないかって思ってました〜(>_<)
みんな無事で良かったですね。
あのナージは、チャグムが助けたナージなのかなぁと想像しちゃいますね。
最終回、私も寂しいです。
送っていただきましたTBは、ミラーも活用しなるべく返させてもらっていますが、それでもTBが送れない場合があります。 日数経過状況により気がつかない場合があります。ご了承ください。
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